タバコを吸わなければ、適量のアルコールは腎機能に対しては、有用かもしれないため、禁酒する必要はないのかもしれない。

 

飲酒と腎機能

 日本で行われた研究では、20g/日未満のalcohol摂取では、123764 人を10年観察すると、蛋白尿陽性となる危険性が減少。

 オランダのcohort研究(PREVEND)では、5476人を中央値10.2年観察すると、飲酒はCKD発症を抑制した。

 軽度から中等度のアルコール摂取は、非喫煙者では蛋白尿発症が少なかったが、喫煙者ではこの傾向は見られなかった (Matsumoto A et al. Hypertens Res 2017;40:771.)

 

喫煙

一般に喫煙はCKDリスク↑。

ニコチン → 交感神経↑ → 血管収縮

その他、内皮機能障害、インスリン抵抗性、酸化ストレス↑

 

アルコール摂取がCKD発症を抑制する機序

中等度アルコール摂取 → インスリン感受性↑、HDL-C↑、内因性t-PA↑ → 動脈硬化↓

少量のアルコール摂取 → 糸球体podocyte保護作用

高用量のアルコール摂取 → スーパーオキシド↑等

 

アルコール摂取 → 女性ではestrogen↑、testosterone↓。

 

References

Nakagawa N et al. Impact of mild-to-moderate alcohol consumption and smoking on kidney function. Hypertens res 2017;40:809.